2021/07/30

「介護保険について学ぶ」講師 澤木和子さん

私が、この「いきがい特派員」という活動をさせていただくようになって、かれこれ4年ほどの月日が経つのですが、県の福祉政策の担当者の方などから直接いろいろなお話を伺ったり、質問などをさせてもらえる機会を頂けているということは、とても有難いことだと思っています。

そのような機会の中で感じたことがあるのですが、それは自分が今までいかに無知であったかということでした。これからますます進んでいく少子高齢化社会に危機感を持ち、それなりに福祉などに対する関心が高いつもりでいたにも拘わらず、県の福祉政策はもちろん‥国の制度でさえ知らないことが多く、いろいろと考えさせられることも多かったです。

また、自分自身だけでなく、身近なシニア世代の方達にいろいろと話を聞いてみると、実際にさまざまな福祉のサービスを受ける権利があり、また受ける必要があるにも拘わらず、「知らなかったり」あるいは「サービスを受けることを恥」だと思っていたりして、無理をして1人で頑張っている人もそれなりに存在するということにも気がつきました。

そのようなこともあって、「何か自分達にできることはないだろうか」と友人で看護師の澤木和子さんに相談をしてみたところ、「一緒にできることをやってみよう」と快く協力してくれることになりました。私の本業は僧侶で、小さなお寺の副住職をしているのですが、お寺で澤木さんによるお話会を定期的にやってみようということになったのです。

第1回のテーマは「介護保険について学ぶ」ということで、6月のとある日に澤木さんにお話をいただいたのですが、まだ新型コロナが収束していない現状ですから、とりあえず少人数でお寺の檀家さんの有志に限っての開催としました。いずれは近隣の方達にもお声をかけて、たくさんの方のためになるような会にできたらと思っています。

とりあえず備忘録的な感じで、聞いたお話を自分なりにまとめてみましたので、ご存じのない方もいらっしゃるでしょうし、せっかくですのでここで紹介させていただこうと思います。以下‥‥

講師の澤木和子さん

講師 澤木和子さんのお話より

○介護保険制度は平成12年に国の仕組みで始まった。制度が始まってから20年ぐらいたっている。
○日本は国民が皆、公的医療保険に加入することになっている。病気になったり怪我をした場合は医療保険を使って治療をするが、治ってこれから自分の生活をどうやってやっていこうかといった時に介護保険を使って生活していくことになる。
○介護保険料というのは、40歳以上の人はみんな負担している。「私はサービスを受けたくないから払いません」と言うのはできない。滞納をしたりするとサービスを受けられなくなる可能性もある。
○介護保険を使えるのは、65歳以上で市から介護が必要と認定された人。40歳~64歳でも特定疾病で認定された人。
○だんだん自分のことができなくなってきたとか、食べるときに飲み込みが悪くてむせるとか、外出をするのが困難になってきたとか、家族から同じことを何回も言うと指摘されたとか、このような状況がでてきたら気軽に相談をしてみた方がいい。
○相談をするのは、まずは地域包括センター。あるいは区役所の長寿保険課に行くといい。民政委員さんに相談してつなげてもらうのも良い。
○窓口で要介護認定を受けたいと申請する。そうするとまず訪問調査ということで係の人が来てくれて、本人や家族から聞き取りをしたり手足の動きを見たりする。
○主治医意見書が必要になるのでかかりつけ医に用意してもらう。
○訪問調査が終わると審査会というのがあり、大体1ヶ月以内ぐらいに介護度が出る。暫定といってあらかじめサービスを進める方法もある。
○認定は細かく8段階に分かれている。サービスを受ける必要はないと判断されれば非該当。要支援1~2。要介護1~5のどこかに認定される。
○介護保険で受けられるサービスは居宅サービス、施設サービス、地域密着サービスの3つ。
○できるだけ要介護状態にならないように、生活機能の維持向上や改善することを目的とした介護予防サービスという制度もある。
○ケアマネージャーは介護される人の希望を拾い上げてくれて、具体的なプランを計画してくれる人。在宅か入所とか、在宅なら入浴とかリハビリをどうするかとか具体的な相談に乗ってくれる。自分達では適切なサービスがどれかわからないようなことも多いので、よく相談に乗ってもらうようにするほうが良い。

コロナ対策のため少人数での開催でした

以上です。次回は「手指の体操」の指導をしていただこうと考えているのですが、そちらもタイミングが合えばご紹介させていただきたいと思っています。ちなみに講師をしていただいた澤木和子さんも「旅するナース・フランソワ」としてさまざまな活動をされている素敵な方で、いつかその活動もここに取り上げさせてもらいたいと思っています。合掌 

取  材:生きがい特派員  丸山 敬(西部地域担当)

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