2021/08/25
生命力あふれるイチジクの木
新型コロナウイルス蔓延の影響で、令和3年8月20日静岡県にも緊急事態宣言が発令されました。それによって、普段の生活にも行動制限が掛けられ、「不要不急な外出はしないように」との呼びかけがされています。ですから、ややもすれば家の中に閉じこもりがちになりますが、こんな時だからこそ自然に触れた方がいいと実感しています。人間は年齢を重ねれば重ねるほど、感覚や身体は使わなければ衰えてきます。庭に出て外気に触れるだけでも効果はあります。できれば、時間を見つけて近所の街路樹や遠くに見える山や海を望むだけでも違います。人は生活するのに他の人を必要としますが、同様人は生きていくために自然や植物は欠かせません。エネルギーや栄養分の補給は光合成する植物に負っているからですが、眺めるだけも近づくだけでも息吹が伝わってくるようで、生きる力を受け取っています。
外出自粛をしている皆様に、生命力あふれるイチジクの木を紹介しますので、画面で御覧ください。
イチジクには、生き生きした息吹のようなものを与えてくれる力があります。見ているだけでもその力をもらっているように感じます。実は、10年近く前にホームセンターで買った1本のイチジクの木が成長して、たくさんの果実を実らせてくれていました。ところが、幹の下の部分に数年前に亀裂が入って倒れ掛かっていましたので気にはしていましたが、写真の様に数日前にポッキリ折れてしまいました。この数年100個以上の実をつけてくれていて、イチジクの木のたくましさを感じていましたが、カミキリムシの仕業のようです。でも、4~5年前に畑と庭の境目あたりに挿し木をした1本が根付いてくれて、2メートルを超える立派な木に成長し果実をつけるようになりました。
イチジクの木はアラビア半島で誕生して、日本には江戸時代に中国からもたらされたとされていて、当初は食用としてより薬用として栽培されていたようです。キリスト教の聖書にも登場する木で、アダムとイブが裸を隠すのに使ったのがイチジクの葉と言われています。この葉の形は独特で、桑の仲間ということだけあって、大きな葉には切れ込みがいくつか入っているのが特徴です。
わが家のイチジクの木は2メートル前後と低いですが、10年余り前にボルネオ島のキナバル山(4095m)に登山したあと行った熱帯雨林で見たイチジクの木は20メートルほどもある大木で、その生命力溢れる樹形と樹勢に圧倒された記憶が生々しく残っています。撮ったはずの写真を探しましたが残念ながら見つかりませんでした。
まだまだ外出自粛の日々は続きますが、身近なところで自然や植物に触れ、感覚や身体を使うことで、このコロナ禍を乗り越えましょう。
取 材:生きがい特派員 早川 和男(中部地域担当)